美容外科治療を受ける前に知って欲しいこと・・・豊胸術

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豊胸術

女性の柔らかで美しいバストラインは、男性からだけでなく、同性からも魅力的で憧れるものです。そして年齢を問わず、体のシルエットとして大切なポイントとなるでしょう。大きさの大小だけではなく、出産・授乳・年齢などの影響によるバランスや形の崩れなども非常に気になるところです。それだけに自分の理想の形になれる方法があるなら・・・と誰しも一度ぐらいは考えたことがあるのではないでしょうか?


現在、胸を豊かにする方法としては、大きく分ければ、人工のバッグを挿入する方法と自分の脂肪を注入する方法の2通りが行なわれています。脂肪以外の物質(ヒアルロン酸など)を注入している病院もあるようですが、以前説明したように、日本以外ではほとんど行われていない方法ですし、そもそも安全なヒアルロン酸なら基本的には、最終的に100%吸収され効果も一時的です。大体6ヶ月から1年以内と考えてください。また安全なヒアルロン酸だとしても本来豊胸の目的に使うものではありません。さらに、それが何年ももつとか、非吸収性のものと言うならば、非常に危険な方法であり、安全性を考えて、専門医のいる病院・医師ならまず勧めることはないでしょう。


では、前者のバッグを挿入する方法と脂肪を注入する方法では、どちらが良いのでしょうか?


当然どちらにもメリット・デメリットがあり、その選択は手術を希望される方の状態・改善したい部分・患者さんの体格などを総合的に判断しなければなりません。(両方の方法に対して十分な経験と技術を持った美容外科医であることが最低条件ではありますが・・・)


人工乳房バッグとしては、日本、アメリカではコヒーシブジェルというシリコン製のバッグが、柔らかさと安全性の面から広く使用されています。生理食塩水の入ったバッグもありますが、感触の点で劣る、中の生理食塩水が少しづつ漏れてしまうなどで、最近はほとんど使われなくなりました。実際のバッグの挿入は、東洋人の場合、ワキのシワに沿って4~5センチの切開をしておこなうアプローチが最も傷あとが目立たないと考えますが、乳輪下、あるいは乳房の下のラインを使用する方法もあります。それぞれ長短所があるためよく説明を聞きましょう。バッグを入れるスペース(大胸筋下、乳腺下など)・剥離範囲・バッグの形(円形、水滴形)などは、その方の望む大きさ・皮膚のタルミ状態・皮膚の厚さ・柔らかさ・乳腺の発達度・皮下脂肪の多さなどの様々な点から判断し、最終的に医師の経験から決定します。同様に、バッグの種類、大きさ、かたちも何十種類の中から、選択します。 やはり胸の形の美しさ、ボリュームの点では、バッグによる方法が優れているでしょう。


一方、脂肪注入法はどんな方に適しているのでしょう?基本的には、それ程はっきりした大きさ・形の変化を望まない方、どうしてもバッグを入れるということに抵抗のある方、おなか等の脂肪吸引を同時に望む方などです。例えば授乳後に、皮膚のタルミなどで胸の前の部分が一部が窪んでしまったように見えたり、張りがなくなったりした場合、脂肪を入れてあげることで改善することができます。 ただし自分の脂肪といっても、お腹から採取し、それを選別して注入しますが、脂肪がすべて生着するのではなく、テクニックのある医師が行なっても50%近くは吸収されてしまうため、注入量をある程度想定して多めにします。もともと脂肪の少ない方だと採取量が不足することもあります。最近は幹細胞と一緒に注入することで、生着率を上げる試みもされていますが、これも施設によって結果が異なるため無条件良いというには早いかも知れません。 とにかくどちらの方法があなたに適しているか、十分なカウンセリングを受けて、決定することが重要です。


アジアン美容クリニック 院長、帝京大学附属病院美容センタ―講師 鄭 憲

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