美容外科治療を受ける前に知って欲しいこと・・・注射によるバストアップ

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注射によるバストアップ

注射だけで簡単にバストアップ!!そんな広告、宣伝が雑誌やインターネットで紹介されているのか、当院にも問い合わせが多くあります。実際そのような方法があるのでしょうか?


広告内容を詳しく見ると、安全なヒアルロン酸注入(サブQ、Sub Qなど)による豊胸術でその効果は3年から5年とうたっているものが多くあります。ヒアルロン酸に関しては、しわの改善目的で使用することは他のコラムでも紹介しました。では、胸を大きくする目的でも、しわに対するような効果と安全性が確認されているのでしょうか?残念ながら答えはNoです。 ヒアルロン酸自体ムコ多糖類からなり、皮膚の構成成分の一部として皮内に注射することで安全にしわの改善を促します。また、鼻筋やあごのラインなど骨(正確には骨膜)の上に注入することで顔の輪郭を整えることもできます。しかし、そのように本来の位置に正しく注入しても6ヶ月から1年位の持続効果です。当然胸の脂肪組織、乳腺組織に少量注入した場合は、より早く吸収されるでしょうし、少量であればバストアップ効果はあまり期待できないでしょう。逆に大量のヒアルロン酸を注入した場合は、今度は安全性にも問題があります。最悪しこりとなったり、炎症を起こしたり、組織の壊死を起こす可能性もあります。そもそもSub Qという製品もヒアルロン酸の分子構造を大きくしたものですが、本来顔の一部の凹みの改善のために開発ものですし、そもそも胸に対しての使用を目的にしたヒアルロン酸は存在しません。

アメリカや欧米、そしてアジアでは美容先進国と言われる韓国でも、胸にヒアルロン酸を注入するという治療はほとんど行っていません。日本の一部のクリニックだけと言っても過言ではないでしょう。勿論安全な正規の(米国FDA認可など)ヒアルロンを少量胸に注入したぐらいでは、特に害がなかったとしても、あっという間に吸収されてしまうでしょう。そのときは費用だけ無駄にしたと考えればまだ良いですが、治療にあたって十分な説明があったかどうか、その結果納得して受けたかが大切です。なかにはヒアルロン酸でもない非吸収性の物質を注入されたケースもありますから怖い話です。


安全な豊胸術は、現在ではまだ、経験のある美容外科にての手術法以外ないというのが今のところ現実です。具体的な手術法は豊胸のコラムを参照にしてください。


アジアン美容クリニック 院長、帝京大学病院美容センター 講師  鄭 憲

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